いばらの道、ラ・カンパネラ演奏
昨年の誕生日の夜、
これから一年がんばってみようと
狙いを定め
奏
という字を書きました。
このとき心の中にあったのは
ラ・カンパネラ
ピアノの魔術師が作曲した曲。
もう何年も前に、一度弾いてみようと途中までやってみたけど、すぐにあきらめました。
こんな理不尽なこと、できるわけない!
手の小さい私には絶対無理!(小学生サイズです。。。)
あまりに速く、指が長距離を飛ぶので、目の焦点をどこに合わせたらいいのか・・・?
指の瞬発力と正確な距離感が必須です。
『超絶技巧』、『演奏効果抜群の難曲』とも言われてます。
それから何年か後、偶然Uチューブで見たのですが、盲目のピアニストの方がこの曲を
演奏されている姿に大変驚きました。 見えないのに、あの曲をなぜ弾けるのか。
手が小さいというのはただの言い訳、不利だけど無理ではない。
悟った日から楽譜を開いて、私もこの『いばらの道』を歩き始めました。
作曲者は、ピアノの魔術師と言われたフランツ・リスト。
『悪魔的』ともいうべき技巧を誇ったパガニーニ(ヴァイオリニスト)の演奏に影響を受け、『ピアノのパガニーニ』になるべく猛練習を始めたリスト。 彼が、パガニーニの
”ヴァイオリン協奏曲第2番”終楽章『鐘のロンド』の旋律をもとに、ピアノ曲として作曲したのが『ラ・カンパネラ』。
1831年に作曲に取りかかり、最初にできた作品はあまりにも難しすぎて誰も弾けな
かったとか・・・その後は何度か手直し改変され、1851年最終的に今の楽曲となるまでに
20年もの歳月を要したということです。 演奏家だったリストはその間に作曲家に転向。 長年かけて完成した曲は、今でもこうして演奏者の「一度は弾いてみたい」という気持ちを掻き立てる魅力が存分です。
20年かけて作られた曲を、1年や2年で弾きこなせるとは思えないけど、
とにかくこの一年この曲に挑んできました。
譜面を開くと臨時記号の嵐!
気の遠くなるようなその解読は、まるでパズルのピースを一つずつはめ込んでいくような地道な作業。 暗譜ができた後も、その先はまだまだ長い・・・
届かない和音の羅列を克服するためには指使いに工夫が必要だし、弱点である薬指と小指の毎日の高速訓練も欠かせない。 せっかく上達してきたのに忙しくて3~4日弾いてないと、もとに戻ってしまう。
終盤のオクターブ連打に手のひら全体の筋肉が引きつり、最後は忍耐!
集中力が切れてくるとオクターブさえ届かなくなる。 音がにごる。
あぁ、あと1cm指が長かったら・・・
どなたか、手の小さい方で、この曲に挑戦したことある方、どうかアドバイスのお恵みを!
挫折せずに練習を続けていられるのは、
「音楽は一生かけて作っていくもの」というある方の言葉のおかげ。
月謝を出してもらって習っていた学生時代はさっぱりでしたが、
今は、その言葉が心に染み入ります。
長い道のりでも弾けるようになったら、この曲はきっと一生の財産になる!
自分で弾きながら、その旋律の美しさに酔える日が来たら、
人様の前でお披露目してみたい。
その日まで・・・・・・あと少し。
(だと信じたい)
~2016年1月25日のひとりごと~